プロセス開発を軸に
知識を深めて挑戦できる
プロセス開発 プロセス開発部 プロセス開発第二グループ

S.O 2021年入社 - 化学システム工学専攻

Work
仕事内容

S-SBRに関わる仕事

私の所属するプロセス開発第二グループは、新製品の製造プロセスの設計と最適化やスケールアップの検討、既存プロセスの効率化検討、海外プラントへのライセンス業務、他部署への技術サポートなどの役割を担っています。そこで私は低燃費・高性能タイヤ用の合成ゴムであるS-SBRの重合技術を担当しており、当社の研究開発部門から提案された新たな製品を量産するためのスケールアップ検討を行っています。具体的には、新製品に対してラボ機器やパイロットプラントを使用して物性や反応速度などスケールアップに必要なデータを取得し、競争力のある生産技術の確立を行っています。他にも海外プラントへの生産技術移管を担当しています。迅速な安定生産実現を目指して、初期生産の運転データの解析や英語での現地エンジニアへの技術指導など、海外プラントでの新製品の立ち上げ業務に携わっています。

難易度の高い設備設計を担当

入社2年目に初めて担当したパイロットプラントの設備設計は、工事費用数百万円程度の改修工事であるものの、非常に危険な薬液を扱うものでした。プロセス設計段階で行われる安全評価は複数の部門長が評価するような難易度の高いもので、任された時はこれまで以上に大きな責任感を抱きました。2ヵ月かけて解決すべき問題点に対する実験を行った後、設備設計に移り、安全評価を経て実際の設備に展開するまでに約1年弱の時間を要しました。完成した時は、「遂に完成したか」という達成感がありましたが、実は、もうすぐ改修した設備を使った検証が行われる予定なので、内心ドキドキしています。

自分のアイデアが成果に直結

実機プラントでの化学反応や物質の特性に関わる物理現象は非常に複雑ですが、新製品を実機プラントで生産するためには、ラボやパイロットスケールにおいて、製造条件を決定しておく必要があります。それを決めるために、ラボやパイロットプラント試作と机上でのシミュレーションを重ねていきます。思い通りの結果にならないこともしばしばありますが、トライアンドエラーを繰り返し、うまくいかない原因を究明していきます。これには根気がいりますが、技術難易度が高ければ高いほど、それに見合うだけのやりがいを感じます。そして、製造プロセスへの影響が目に見えた時や問題解決のアイデアが生まれた時、そしてそれらの成果が実際の生産ラインに反映され、効率性や品質の向上につながった時には、大きな達成感を味わえます。

Change
入社後の変化

協力して課題を解決

就職活動では、正直、卒業研究が忙しく、あまり多くの企業を調べてはいませんでしたが、自分の研究分野である化学エ学の知識を活かすことができる企業に入りたいと決めていました。その中でENEOSマテリアルを選んだのは、化学工学の知識を活かすことができるだけでなく、人との関わりが多い仕事ができる会社だと聞いていたからです。入社してみると、研究開発部門から提案を受けたり、製造現場で作業している社員に話を聞いたりと、他部署と関わる機会が多く、プロジェクトチームや製造現場との協力の中で、円滑なコミュニケーションやチームワークの重要性を学ぶことができました。自分の意見を適切に伝える能力や、他のメンバーと協力して課題を解決する能力が身についたと感じています。

充実した研修制度

大学時代はパソコンでのシミュレーションや、技術論文を読解することで、化学工学の知識を深めていましたが、それが実務にどのように活かされるのかイメージがあまり湧いていませんでした。しかし入社後に、大学時代に学んだ基礎的な内容から大学では学べなかった実践的な内容まで幅広く学べる研修プログラムを受けたことで、自分の知識が問題解決や業務実行に役立つことをイメージできました。また、パイロットプラントの設備設計や製造プロセスのスケールアップの検討などを実際に進めていく中で、これまでの研究と通じる部分を想像以上に多く見つけることができました。

主体的に進める面白さ

大学院の研究室では教授の指導方針に従って作業していたのに対し、入社してからは課題に対して、アプローチ方法を自分で決めて進めることができるという違いがありました。グループにはキャリアや専門領域が異なるメンバーが所属しているため、活発にコミュニケーションを取りながら自分なりの観点で技術検討を進めていく面白さがあります。また、大学院の研究室ではラボスケールでできることしか研究していませんでしたが、現在は1日で何百トンも生産する大規模なスケールで検討しているため、規模の違いによる新しい発見もあります。

Advantage
環境の魅力

グローバルな環境が身近にある

ENEOSマテリアルはタイとハンガリーに合弁会社の工場を持っており、グローバルに事業を展開しているため、海外での仕事やプロジェクトに携わる機会が多くあります。実際に、同じグループの先輩も海外で働いています。将来的には私も海外で働いてみたいという気持ちがあるため、若手のうちから海外で働く機会があることに魅力を感じています。また、キャリア開発の一環としてCDP制度(Career Development Program)では、入社から10年間に3つの異なる部署や業務領域で経験を積むことができます。スキルや知識を幅広く磨きながら、キャリアの成長を図るこの制度を活かして、今後は海外や製造を深く学べる部署でも経験を積みたいと考えています。

知識よりも巻き込むカ

ENEOSマテリアルで活躍するためには、協調性とコミュニケーション能力が必要だと思います。私が所属しているプロセス開発部では研究開発部門から提案を受けたり、製造現場に協力を仰いだり、他部門とのやり取りが多くあります。異なるミッションを持つ他部門の社員と円滑にコミュニケーションを取るスキルや、わからないことがあればすぐに質問しその場で明確化しておく意識があると仕事がスムーズに進むと思います。知識に関しては、入社してからも多くの学ぶ機会が用意されているため、さほど心配しなくて構わないと思います。会社として社内外の研修を豊富に用意しており、入社してからでも化学工学の基礎知識や現場で使う知識は十分身に付けられると感じています。