「これが自分の製品」と
胸を張って言えます
製造技術 製造技術センター 技術グループ

K.K 2022年キャリア入社 - 応用生命科学専攻

Work
仕事内容

S-SBRの品質保証を担当

S-SBRとは溶液重合スチレン・ブタジエンゴムという合成ゴムで、低燃費•高性能タイヤの原料として使われています。製造技術センターには製品ごとにチームがあり、私の所属するチームはS-SBRを担当しています。業務内容としては、製造プラントで安定生産・安定品質を確保するためのコントロール指標を見極め、管理方法を決定することです。まずは完成した製品がお客様の求めるスペックを満たしているかどうかを検証して、満たしていない場合は原因を徹底的に追求します。品質不良の発生原因は、原料に起因する場合、プラントの運転方法に起因する場合など様々です。生産時の運転データを解析したり、製造現場の運転員から生産状況をヒアリングしながら原因を究明し、対応策を考える。これらを実行して、品質の問題を解決するところまでを担います。

「根本的な課題解決」に携わる喜び

前職では自動車部品関連の会社で製品の品質管理をしていましたが、製品トラブルのお客様対応がメインであり、不具合の応急対応が仕事でした。そのため品質不良の原因を追求したり、問題が起こる前に対策を打ったり、そんな品質管理における「上流の仕事」がしたいと思い、ENEOSマテリアルに転職しました。先日、初めて私が主担当となり、原料複数購買化の検討をしました。原料サプライヤーを1社に限定すると、自然災害などによる物流停止や、サプライヤー工場の生産トラブルなどによって、原料を確保できずS-SBRプラントの製造が停止するリスクがあります。この原料調達リスクを未然に回避するため、原料を複数のサプライヤーから調達することが求められますが、サプライヤー変更は原料品質の変化を伴う懸念があります。特に、S-SBRは重合およびポリマー変性といった、多段階の化学反応を経て生産されるため、原料の純度や不純物の管理は生産および品質の安定化の重要な要素です。そのため、原料分析、ラボ評価、プラント試作など、安定生産と品質確保の観点から厳しいチェックを行い、最終的には、全ての評価に合格し、新規サプライヤーとして採用することができました。今回の検討を通して、原料調達リスクの低減、およびS-SBRプラントの安定操業に貢献できたことを誇りに感じます。まさに、私が望んでいた「根本的な課題解決」に携われていることを実感しました。

Change
入社後の変化

仕事の規模、責任の大きさが段違い

前職では少量多品種の製品を担当していました。しかしS-SBRの製造は数百トン単位。プラント自体もサッカー場くらいあるのではと感じるほどの規模です。私が何かミスをすると、一気に数百卜ンが無駄になるわけですから責任やプレッシャーは確かに大きいですね。いつも身が引き締まる思いになりますが、その分、うまく品質をコントロールできた時の達成感も段違い。そんな仕事をある程度、個々の裁量に任せてくれる環境にもやりがいを感じています。

フォローの体制も万全

もちろん「個々の裁量に任せる」というのは、放置・放任という意味ではありません。フォローやサポートの体制もしっかり整っています。先日担当した原料複数購買化検討も正直、最初はとても緊張しました。自身が主体となってリスク評価の会議を開くのも初めてで、検討の段取りを組むのも初めてでした。ただ上司や先輩から「こういう準備をしておいたほうがいいよ」といった助言をもらえたことで不安は薄らぎました。「こうしろ、ああしろ」といった細かい指示ではなく、「こんなところに気をつけたほうがいい」というアドバイスのような指導なので、自主性も尊重してくれます。さらに何かあれば誰にでも遠慮なく質問できる雰囲気ですし、負荷が重い時は誰かが仕事の一部を引き受けてくれます。そんな体制だからこそ、初めて与えられたテーマを計画通りにやり切ることができたと思います。

「自分の製品」という意識

前職では、製品トラブル発生時のお客様対応や応急処置がメインで、品質不良の発生原因や製造プロセスの対策理解が及ばず、製品や製造プロセスに対する愛着は持てませんでした。しかし現在は原料の選定など製造段階から深く関わるので、担当しているS-SBR製造プラントおよび製品そのものに愛着が湧き、「これは自分の製品だ」という気持ちになっています。「自分の製品」ですから、仕事に対する思いや取り組む姿勢も変わりました。社内ルールを理解して、しっかり守る。何かを説明する際には判断の根拠を明確に示す。報・連・相には自身の考えを持った上で臨む。そんなことを心がけるようになりました。

Advantage
環境の魅力

子どもができても長く働ける

当社にはフレックスタイム制度、在宅勤務制度など働きやすい制度が揃っています。さらに有休を遠慮なく取得できるのも魅力です。例えば土日と有休で1週間〜10日の休みを取ったり、家庭の事情で金曜日を在宅勤務にしたり、私のチームにも制度をうまく使っている社員がいます。もちろんフレックスですから、今日は朝遅めに出社、明日は約束があるから17時退社など、自身の都合に合わせて働くこともできます。ワークライフバランスをうまく保ち、仕事と家庭を両立することもできます。これは私自身の少し先の話になりますが、子どもができてからも、安心して長く働くことができると思います。

学びの機会が多いのも魅力

社内研修のほか、社外での勉強会なども充実しています。知識を広げる機会が豊富で、上司が「こんな講習があるから受けてみたら」と勧めてくれることもあります。先日も統計解析ソフトに関する外部研修に参加してきました。こうしたチャンスを積極的に利用し、今後は仕事の幅も広げていきたいと思っています。これまでは既存プロセス、既存製品に関わる仕事でしたが、次は新しいグレードの立ち上げに関わることが目標です。まだ一人で担当するのは難しいと思いますが、先輩の背中を見て学びながら、早く追いつけるように頑張ります。尊敬すべき先輩方が多い私のグループですが、その中でもOJT担当だった先輩から「教わり上手のポイント」をアドバイスしてもらえたことが印象に残っています。質問する時は何を準備して、どんな姿勢で、どのように聴けば良いのか。この教えを意識することで、教わる内容の理解を深めるだけでなく、自身の成長の加速や、困った時に相談しやすい人間関係の構築につながったことを実感しています。私が先輩になった時も、同じように、役に立ったと感謝されるような教えを伝えられるようになりたい。それも、今後の目標の一つです。