サステナビリティ

ガバナンス(Governance)

基本的な考え方

ENEOSグループは、グループ理念に「高い倫理観」を掲げます。
これをグループ行動基準に定め、コーポレートガバナンス強化とコンプライアンスの推進に努め、透明性の高い経営と公正な事業活動を通じて、企業価値向上を実現していきます。
「ENEOSグループ行動基準(以下、行動基準という。)は、ENEOSグループで働く私たちが事業活動を通じて「ENEOSグループ理念」を実現し、社会的責任を果たしていくために実践すべき基準であり、すべての社内規程類の前提として、私たちの事業活動のおける判断の拠り所です。

ENEOSグループ行動基準(抜粋)

  1. 1.コンプライアンスの徹底と社会規範への適切な対応
    1. (1)私たちは、コンプライアンス(法令・契約・社内規程類等の遵守)を徹底し、社会規範に適切に対応します。
    2. (2)私たちは、コンプライアンスに違反する状態を放置せず、また加担しません。

内部統制システム

ENEOSマテリアルグループは、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」を定め、この方針に基づき、業務の適切性を確保するための内部統制システムを構築し、当社の各部門および主要グループ会社を対象に自律的な内部統制活動を行っています。また、経営会議、および取締役会において、定期的にグループ全体の内部統制活動の結果を確認し、問題があれば継続的な改善を図っています。

内部統制体系図

リスクマネジメントの基本的な考え方

素材産業の裾野は広く、当社の事業活動中断は社会的に大きな影響を与えることを自覚するとともに、ステークホルダーへの責任を果たすためにも事業継続力を向上することが欠かせません。重大な危機の発生を未然に防ぐこと、および万一重大な危機が発生した場合に事業活動への影響を最小限にとどめることは経営の重要課題であり、リスクと機会の両面から俯瞰してリスクマネジメントに取り組んでいます。

体制

ESG経営推進会議の下、環境安全品質委員会、企業倫理委員会、サステナブルプロジェクトを設置しています。最終的な責任はESG経営推進会議のトップである社長が負います。ESG経営推進会議はリスクマネジメントの他、保安対策本部としての任務を負っています。企業倫理委員会は遵法対応などコンプライアンスを推進します。カーボンニュートラルに向けた取り組みはプロジェクト体制で推進しています。

リスク管理

ENEOSグループの全社的リスクマネジメント手法で、ENEOSマテリアルグループの特性に即した運営を行います。
ESG経営推進会議において「重要リスク」と主管部門を決定します。主管部門の下、各部門は重要リスク対策としての業務プロセスが適正に推進できるよう、漏れなく内部統制のPDCAプロセスに組み込みます。主管部門はリスク対策を推進し、ESG経営推進会議で定期的にモニタリングします。

  1. (1)各部門におけるリスク洗出し作業
    • ENEOSマテリアルグループ重要リスクの候補を含め、少なくとも自部あるいは自グループ会社が発生源となったり影響を受けたりする可能性のあるリスクを洗い出し、分析・評価する一連の作業
  2. (2)ESG経営推進会議事務局が(1)にて報告されたリスクを取りまとめ、「ENEOSマテリアルグループ重要リスク」案の選定
  3. (3)ESG経営推進会議における「ENEOSマテリアルグループ重要リスク」の承認および主管部門の決定
  4. (4)各部門あるいは各グループ会社は洗い出したリスクを内部統制システム(リスクコントロールマトリックス、以下RCM)に落とし込み、リスク管理する。
  5. (5)主管部門による対策の推進
    • 「ENEOSマテリアルグループ重要リスク」への対策について適宜その進捗状況を確認し、リスクの低減を図る。
    • 「ENEOSマテリアルグループ重要リスク」に選定されなかったリスクは、各部門にて「自部あるいは自グループ会社の部門管理リスク」と位置付け、各部門での日常のマネジメントにおいてリスクの低減を図る。
  6. (6)ESG経営推進会議事務局が前回のリスク管理の進捗結果をESG経営推進会議に報告

リスク評価のマトリクス

内部統制活動

ENEOSマテリアルグループにおける具体的な内部統制活動は、監査・内部統制本部が主導して、会社法、金融商品取引法の法令に基づく内部統制、ならびに各部門における内部統制を適切に運用する体制を構築しています。各部門における内部統制はCOSOフレームワークに則って設計され、仕組みとして、各部門が自律的に取り組むようにしています。当社が発足した2022年度からこれらの仕組みを導入・展開し、2023年度からは経営上の重要リスクへの対応に漏れのないよう、全社的なリスクマネジメントと内部統制とを連携した、内部統制活動を展開しています。

内部統制の報告体制

BCM(事業継続マネジメント)

ENEOSマテリアルのBCMは、甚大な災害や事故により資源が大きく制限された中でも事業活動の中断を最小化するための体制整備・運用における指針を明確化することを目的としています。
災害発生時は時間軸で初動フェーズと非常対応フェーズに大別して本部を設置する体制をとり、BCPを策定しています。

コンプライアンスの推進体制

ENEOSマテリアルグループは、「ENEOSグループ行動基準」、「ENEOSグループコンプライアンス活動基本規程」、「ENEOSマテリアル企業倫理要綱」および「ENEOSマテリアル企業倫理ホットライン規程」に基づき、法令遵守はもとより、社会的な規範と企業倫理に則った企業活動を行っています。公正かつ透明性の高い企業活動を通じて社会的信頼を得るため、コンプライアンスは当社グループが事業を展開する上での不可欠な基盤です。当社グループは、コンプライアンスの徹底を図り、持続的にコンプライアンス体制を強化するために、社長をトップとする「企業倫理委員会」を設置しています。年に二度開催される定例会議において、当社の各部門およびグループ各社はコンプライアンスに関する状況や内部通報の利用状況に関する報告を行います。企業倫理委員会は法令違反などのリスクを評価し、不備があった場合は改善措置を講じるとともに、次年度にむけた課題の把握や教育計画の策定などに反映させています。

1)定期的な法令遵守点検

ENEOSマテリアル各部門は、自部門の業務に適用する法令のうちリスクが見込まれる法令を選定し、内部統制システム(RCM)に入れ込みます。そして年1回RCMを用いて遵法確認点検を実施します。企業倫理委員会は、各社・各部門の法令遵守状況、許認可・届出の整備状況の他、契約書の整備等、定期的に確認し、不備があった場合は改善措置を命じます。

2)継続的なコンプライアンス研修

e-ラーニングなどを用いて、従業員に対して多角的なコンプライアンス研修を提供しています。これには、安全教育、ITセキュリティ教育、競争法遵守、贈収賄防止、品質管理、税務コンプライアンス等が含まれます。

3)内部通報制度(ホットライン窓口)の設置

「ENEOSマテリアル企業倫理ホットライン規程」に基づき、違法行為や不正行為を早期に発見・是正するため実名通報のほか、匿名通報も可能とするとともに、社外通報窓口も設置しています。
通報を受けた際、経営管理本部長は社内規程に基づき、通報者保護にも配慮しつつ、通報情報に関する事実を確認し、事実が確認された場合、是正措置および再発防止策を実行します。

4)反社会的勢力と贈収賄防止対策

ENEOSマテリアルグループでは、「ENEOSグループ行動基準」、「ENEOSグループ反社会的勢力対応基本規程」および「反社会的勢力対応基本規程」を定め、反社会的勢力排除のための体制を構築しています。また、「ENEOSグループ贈収賄防止基本規程」および「贈収賄防止要領」に基づき、公務員に対する贈賄を禁止する体制を構築し、また接待・贈答等が行われる際には、責任者の承認が必要とされる等、贈収賄防止のための総合的な対策を講じています。

情報セキュリティ基本方針

ENEOSマテリアルグループ(以下「当社グループ」)は、高い情報セキュリティレベルを確保することが重要な経営課題であると認識し、必要な対策に取り組みます。ついては、ここに当社グループの「情報セキュリティ基本方針」を定め、ビジネスパートナーや委託先を含めて情報の適切な取扱い・管理・保護・維持に努めて参ります。

1)情報セキュリティ管理体制の構築

当社グループは、保有する全ての情報資産の保護および適切な管理を行うため、予算・人員等のリソースを十分に確保するとともに、情報セキュリティ対策を速やかに実施できる体制を構築します。

2)内部規程の整備

当社グループは、情報資産の保護および適切な管理を行うために必要な規程類を整備し、遵守すべき事項を社内に周知徹底します。

3)適切な情報セキュリティ対策

当社グループは、情報資産に係る不正アクセス・破壊・情報漏えい・改ざん等の事故を未然に防止するため、情報セキュリティリスクを把握し、必要な対策を実施します。また、事故発生時の対応・復旧体制を整備し、早期回復に向けた計画の策定を行います。

4)情報セキュリティリテラシーの向上

当社グループは、全ての役員および従業員に対して、情報セキュリティ確保の必要性および具体的な遵守事項を周知・徹底するとともに、当社グループの情報管理体制を維持・向上させるために、情報セキュリティに関する教育を定期的に実施します。

5)法令等の遵守

当社グループは、情報セキュリティに関係する法令、規制、国が定める指針、およびその他の社会的規範を遵守します。

6)継続的改善の実施

当社グループは、以上の取り組みを定期的に評価、見直し、情報共有活動を行うことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的改善を実施します。

従業員意識調査

ENEOSマテリアルでは、2022年度より従業員意識調査を開始しました。
調査結果を活用し、従業員とその家族が愛着と誇りを持てる会社となるよう、抽出された課題の改善に向けて取り組んでいます。